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研究トピックス

Closed Loop Engineering −3次元スキャニングを活用する設計開発技術の新展開−

(Convergence Engineering 現物融合型デジタルエンジニアリング)

X線CTスキャナーなどの3次元スキャニング技術を活用するクローズドループエンジニアリングについて研究を行っています。その考え方については、ここを見てください。

○産業用X線CTスキャナーについて
従来から製品の非破壊検査のためには、産業用X 線 CT が利用されてきましたが、人間の医用CTやMRIの画像診断の分野が断面画像から3次元画像(ボリュームモデル)の利用へと進化しているのに比べると、断片的な利用に留まっていましたが、近年急速に普及し始めています。例えばトヨタ自動車と日立製作所が高エネルギーでデータ処理能力の高い強力なX 線 CT 装置を開発しました。この装置を利用すると、大型の部品全体に渡って 連続した断面画像が撮影でき、ボリュームモデルを生成できるようになりました。そして、このボリュームモデルを利用すると、従来不可能であった様々な製品機能のシミュレーション(例えばエンジンブロック内の流動解析)や、さらには、生産工程の解析が可能となって来ています。
 特に、トヨタ自動車(株)と(株)日立製作所の協力を得て、両社が2002年に共同開発し導入した高エネルギー・高性能X線CT装置を用いて計測するボリュームモデル(3次元画像)を用いて、下に示すような設計問題を解決するボリュームモデリングの理論やアルゴリズム、実装法について研究しています。
 新しい天体望遠鏡ができると新しい星が見つかるように、上記の装置によって、様々な課題が現れ、山積しています。プロジェクトでは、以下のような課題の中から選択し、研究を実施します。詳しくは、下記研究紹介を参照のこと。
1.薄板構造物のボリュームモデリング
2.多媒質部品のボリュームモデリング
3.現物モデルのCADモデルへのフィードバック

トランスミッションケースのCTスライスのムービー(画像をクリック)

距離場のボリュームレンダリングのムービー(画像をクリック)

ボリュームモデルから生成したメッシュモデルのムービー(画像をクリック)

Convergence Engineering 薄板構造のボリュームモデルからのメッシュ生成

産業用X線CTスキャナーの進歩により、様々な機械部品の3次元画像(ボリュームモデル)を計測できるようになっています。そのようなデータをCAD/CAM/CAEなどのデジタルエンジニアリングで活用し、新しい設計開発方法を提案しようとするのが Convergence Engineering (現物融合型エンジニアリング)であす(鈴木が提唱中)。ここでは、従来モデル化が困難とされてきた、自動車のボディーなどのような薄板構造物をX線CT計測において、ボリュームモデルから、薄板の中立面(薄板の中央を通る面)をメッシュモデルとして高精度に抽出するためのキュービックシェル理論を開発しました(特許出願中)。それによって、薄板の厚さ分布を評価したり、さらにはサーフェスモデルを生成してデザインに利用したり、FEMメッシュモデルを生成してシミュレーションに活用できるようになりました。現在、トヨタ自動車(株)と(株)日立製作所と共同研究を実施中。

下は、自動車のボディの一部でサイドメンバーと呼ばれる部品です。これは衝突したときに衝撃エネルギーを効率よく吸収できるように設計されています。ここでは、衝突してクラッシュしたサイドメンバーを計測し、その中立面を解析しています。将来的には、シミュレーションの結果と比較し、シミュレーションの高精度化に利用したいと思います。

左:X線CT画像。右:中立面。(ムービーです。クリックして下さい。)


Convergence Engineering 多媒質部品のボリュームモデルからのメッシュ生成

上記と同様に、モデリングの対象を多媒質の部品にしたものです。背景には空気がありますから、全部で3媒質となります。従来のメッシュを作る方法では、2媒質しか扱えませんでした。ここでは、媒質を分離するアルゴリズムと、上述のキュービックシェル理論を用いて、多媒質のボリュームデータに対してメッシュを生成することができるようになりました。これによって、このような部品の形状モデルが容易に生成できるようになり、CADデータとの比較による精度検証や、製造による不具合の評価、さらには流体解析などのシミュレーションに適用できるようになりました。現在、トヨタ自動車(株)と(株)日立製作所と共同研究を実施中。

左から、CT画像(スライス画像)、ボリュームレンダリング、距離場。(ムービーです。クリックして下さい。)


オートバイの変速用ペダルの実物

自動的に材料(アルミ、鉄、プラスチック、ゴム)を認識し、3次元メッシュモデルを生成

Convergence Engineering 光学式スキャニングデータからのメッシュ生成

X線CTと共に、形状をスキャンするのに広く用いられているのが、光学式のスキャナーです。これを用いると、(物体の内部はスキャンできませんが)物体の表面形状を高速にスキャンすることができます。スキャンデータは、点の集まりで、これからメッシュを生成することが要求されます。ここでは、研究室の大竹講師が提案している、陰関数を用いた方法について研究を行っています。この方法の利点は、スキャンデータの大きな問題である、データの欠損(スキャンできずに穴があくこと)とノイズに非常にうまく対応することができます。右図は陰関数の概念と、また、点群及びこの方法によって生成したメッシュを表しています。良く見ると、メッシュの欠損部もきれいにメッシュが生成されていることがわかります。


陰関数の概念図

陰関数法による点群からのメッシュ生成(ムービーです。クリックして下さい。)

Convergence Engineering 大規模ボリュームデータのOut of Core な距離変換手法

産業用X線CTから出力されるデータは、1000×1000から、最大で5000×5000にまでなることがあります。このようなデータを処理するためには、普通は大型のコンピュータが必要ですが、Out of Coreという考え方、つまり、限られたメモリを効率よく使い、必要なデータだけをメモリ上において、それ以外を Out of Core 、つまりファイルに入れておくことによって、通常のデスクトップPCでも、大規模な処理ができるようになります。左図は、距離変換(distance transform)という処理を、Out of Coreで行う処理の例です。図のカラーは、物体の表面からの距離をあらわしています。つまり、肉厚のところは色が赤に近づきます。助手の道川隆士さんの研究です。


Convergence Engineering リバースエンジニアリングシステムMosaicの開発

上記のようにして生成したメッシュや、あるいは、光学式のスキャナーの3次元点群から生成されたメッシュを、さらにCADモデル(トリム化NURBS曲面によるサーフェス・ソリッドモデル)に完全自動変換を行うリバースエンジニアリングシステムMosaicを開発中です。これは、例えば現物形状を使ったCAEを行ったり、CAM処理を行ったりすることを目的としています。

これまでも同様のシステムは数多くありましたが、生成されたモデルの品質と、モデルを生成するための工数や計算時間が共に優れたものはありませんでした。本研究では、完全自動で、あたかも人間がモデリングをしたようなCADモデルを生成することを目指しています。Mosaicは、左図のように鋳物形状部品やプレス部品形状を対象としたアルゴリズムを開発する故tにより、数百万面の三角形メッシュから、完全自動で数十分という短時間のうちに、品質のよいCADモデルを生成することができます。松崎研究員が主に開発を行っています。

この例自動車のエンジンのシリンダーヘッドです。シリンダーヘッドの内部には冷却水を通す穴(ウォータージャケットと言います)が複雑にあいており、また鋳造で製造するために、産業用X線CT計測の対象として最もポピュラーなものです。シリンダーヘッドはアルミと鉄でできていますが、上記の多媒質メッシュ生成法でメッシュを生成し、それをMosaicでCADデータ化しました。三角形の数は約2000万!になりました。これから生成したCADモデルが左です。このCADモデルを用いて、シリンダヘッドの強度解析、振動解析などが行われます。

左:X線CT画像(ムービーです。)。中央:ボリュームモデル(ムービーです。)。右:メッシュモデル。


ペーパークラフト 自由形状の展開図生成に関する研究

立体モデルから、ペーパークラフトの一つである展開図を生成する研究です。立体モデルといっても、ここでは面の数が何万個もあるようなメッシュモデルを圧かします。右の写真で、画面に出ているのはウサギの立体モデルですが、約20,000面の三角形からできています。このような複雑な自由形状を1枚の紙の上に展開し、それを切り抜いて組み立てると、写真のような模型が出来上がります。コンピュータグラフィックスの最高峰の国際会議、ACM Siggraph 2004 の論文に採択されました。現在、筑波大学の三谷純さんとの研究です。


デジタルヒューマンモデリングのための解剖学的人体形状データベース

対消費者向け電子商取引(BtoC)成長の条件としてマスカスタマイゼーション(個客対応生産)が注目されている。そのために、衣服やアクセサリなどの製品では、顧客個別の詳細な身体データのデータベース化が不可欠である。また、製品開発における人間工学的評価においても、その重要性が高まっている。

一方、近年の3次元スキャニング技術の進歩によって、人間の形体をありのままに計測することができるようになっている。しかし、生の計測データだけでは不十分で、そこから製品設計や人間工学的評価に必要な解剖学的特徴を抽出し、パラメータ化することが重要である。また、このような特徴抽出は、大量の個人身体データベースの構築において、データ量が爆発しがちな生の計測データを圧縮したり効率よく検索するためにも必須の技術である。

本プロジェクトでは、頭部形状や足型形状のスキャニングデータを対象として、それを Subdivision Surface Modeling 技術によって、標準的な generic model から、個体差のあるモデルへのフィティングを行い、それによって、生データの平滑・補間や、解剖学的パラメータの抽出、データの圧縮を行う。そのためのモデリング理論とプロトタイプソフトウェアを構築し、実験によって検証することを目的とする。産業技術総合研究所デジタルヒューマンラボとの共同研究で行った。


201個の足のモデル生成

サブディビジョンサーフェスによるCADモデルビューワー用圧縮技術

生産拠点がグローバル化する中で、インターネットを使って協同設計を行うためのシステムが求められている。そのためには、3次元CADで作られたモデルを効率よく転送し、表示する必要がある。このような機能をビューワーと呼ぶ。しかし、一般にCADモデルはデータ量が大きく、その転送が問題となる。ここでは、サブディビジョンサーフェスというCGアニメーションなどで活用されている技術を拡張し、CADモデルを精度良く近似するサブディビジョンサーフェスを生成する技術を開発した。IPAの未踏ソフトウェア開発事業に採択され、(株)エリジオンとの共同研究で開発を行った。


デザインスケッチに基づく意匠曲面モデリング

自動車や家電などでは製品機能の成熟化が進んでおり、製品の差別化・高付加価値化のためには、ブランド性や、意匠性を高めることが非常に重要になっている。しかし、他の設計・生産のプロセスがIT化によって生産性を飛躍的に高めているのに対して、いわゆる意匠設計あるいは概念設計の分野では、デザイナーの作業を十分に支援するツールがないのが現状である。本研究では、デザイナのクリエイティビティーを阻害しないものとして、デザイナに最も自然なスケッチ図(レンダリング図)をとりあげ、そこから3次元形状を構成するシステムを研究する。特に、スケッチ図から抽出されたデザイン上重要な特徴曲線を用いて、3次元曲面モデルを生成するモデリング理論について研究しました。中京大学の興膳教授との共同研究で、倉賀野穣君が研究を進めました。


スケッチの例


Subdivision Surface の例

Attentive Work Bench 拡張机型インターフェースと移動ロボットとの統合による強化作業環境

昨年後半から、21世紀COE「情報科学技術戦略コア」の下、精密機械工学専攻の教官が中心となって AWB (Attentive Work Bench) というシステムの研究を開始した。これは、人間とコンピュータとの新しいインタラクションの形を追求する「実世界情報システム融自主的に研究を進めていく学生を歓迎します。合プロジェクト」の一環であり、拡張現実技術を用いて机上での情報表示および、インタラクションを行う拡張机型インターフェースに、さらに、物を運んだり、簡単な組立などを行うアクチュエータとして(移動ロボット)を組み込むことによって、作業者に配慮してシステムが「手を差し伸べる」作業環境を開発している。本研究では、コンピュータビジョンを用いて作業者の意図を認識し、それに基づいてロボットをコントロールして作業者の意図にダイナミックに反応して作業支援するシステムを開発する。

精密の他研究室(高増研、太田研)や、生産技術研究所・佐藤洋一研との共同研究となります。


AWB (Attentive Work Bench)の概念

佐藤洋一先生のEnhanced Desk

細分割曲面によるスタイルデザイン

意匠曲面を定義する方法として、キャラクターラインを用いた方法について考える。キャラクターラインとは、デザイナーが曲面を定義するときに用いる曲線のことで、曲面形状を特徴付けるものである。本研究では、特徴線を用いて細分割曲面を生成する方法について研究する。

これまで、スキニングと呼ばれる断面線を動かして曲面を生成する方法や、曲線を内挿する方法などについて研究を進めているが、それらだけでは生成できない形状に対する新しい理論と手法について研究する。

分野:形状モデリング

基礎:計算幾何学、コンピューターグラフィックス

3D Finger Mouse

ビジョンシステムによる3次元ユーザーインタフェースとして、単一カメラによって手指などの3次元位置を入力するマウスを開発しました。右図に示すように光源によって作られる影の位置を用いて指の3次元位置を求め、3次元ポインターを実現するものです。これを拡張して、指の動きを認識し、マウスのクリックやダブルクリックに相当するものを実現し、さらに、様々なジェスチャーによって3次元入力を可能にしました。特許出願中。

分野:ユーザーインタフェース、ビジュアルインタフェース、3次元インタフェース

基礎:画像処理、コンピューターグラフィックス、3次元ビジョン

3次元スキャナーデータからの復元

右の図は、日文研の赤澤教授が、シリアのデデリエ洞窟で発掘したネアンデルタール人の幼児の化石です。教授が持ち帰った骨格の化石を一片ずつ3次元形状スキャナーという装置で測定し、そのデータを使ってメッシュモデルを作りました。このモデルを使って、人類学者や解剖学者と共同研究を行いました。応用としては、成長シミュレーションや、歩行シミュレーションなども行い、当時(1995年)話題となり、「ネアンデルタール人の復活」という展示会を東大博物館で行い、NHK特集で紹介されるなどしました。

現在、CTスキャナーによるボリュームデータで復元を行う計画があり、そこでは頭蓋骨に脳を詰め込んで、ネアンデルタール人の知覚能力や知的な能力を推定しようという計画が進められています。

IFIP WG 5.2 GM workshop 96 JSPE paper 98 JSPE paper 98

CTデータからのメッシュ生成と効率化

最近、CT装置が産業界でも普及し始めており、特に従来の検査目的から、測定、さらには計測に利用されるようになってきました。右の図は、某自動車メーカーからいただいたもので、エンジンブロックをCT装置で測定して得られた3次元画像(ボリュームデータ)からメッシュを生成したものです。しかし、このようなメッシュは、大変データ量が大きくなります。例えば、右のモデルは、約400万個の微小な三角形から作られています。そこで、このような大規模なメッシュ(メガポリゴンと呼んでいます)を効率よくメモリー上に表現し、かつ、高速に表示したりすることが求められています。特に、産業界からは、小型のPCで実現する方式が求められています。ここでは、メッシュをSTRIPという帯状の構造に変換することによってそれを実現しています。

階層的データ構造による LOD(Level of Detail)

微小な三角形から構成されているモデルにおいて、例えば、それを遠くから見ると、小さい三角形はほとんど点になってしまうでしょう(右図の左)。少しずつ近づいてくると、だんだん小さいものが見えてきます。LODは、モデルをいくつかの詳細度で表現しておき、それを必要に応じて切り替える方法です。右の左側の図は、細かい三角形をグループ化して、それを大きな三角形で置き換えることによって、粗いモデルを作っています(簡略化といいます)。遠くから見るときには、この粗いモデルで表示し、物体に近づくにつれて、それを少しずつ細かくして行くことができます。

リメッシング

3次元スキャナーやCTデータから生成したメッシュは、そのままでは使いにくい場合があります。特に高品質な表示を行いたい場合には、

  • メッシュが細かすぎる
  • メッシュがそろっていない

などの問題があります。右の図は、リメッシュと呼ばれる処理で、メッシュの形を変えないまま、メッシュのパタンを変更してしまうものです。赤い部分に、きれいなメッシュが作られているのが分かると思います。

以上のような研究成果を基にして、測定データからメッシュを生成するソフトウェアを、政府の補助金によるプロジェクトでベンチャー企業と一緒に開発しました。

スティッチング

右の図はCGアニメーションに使われる人間の顔の曲面モデルである。緑の線で区切られた部分を曲面パッチと呼んでおり、その一つ一つをBスプライン曲面という曲面で表している。このように一つの形が多くの曲面パッチを張り合わせて表現されている。滑らかな形を現すためには、パッチとパッチが連続につながっている必要がある。微積分の言葉で言えば、1階あるいは2階の導関数が連続になっている必要がある。Bスプライン曲面は、そのよう連続性を持つことができる。

問題は、アニメーションでは、笑ったり、話をしたりさせるために、顔の形状を頻繁に変える必要があり、その度にBスプライン曲面は変更され、それによって連続性が崩れてしまうのである。連続性がなくなると、そこに不自然な折れ曲がりが現れアニメーションの品質を低下させる。この研究では、変形時に壊れた連続性を高速に修正する手法を開発した。

本研究はあるCG映画の作成のために依頼を受け、試行的に行われたのであるが、結局その映画は細分割曲面を用いたモデリングが使われたようである。

3次元モーフィング

このようにして作られたメッシュは様々に加工されます。右は、モーフィングあるいはメタモルホシスと呼ばれる操作で、二つのメッシュを補完して中間形状を生成するものです。ここでは、ウサギから虎に変身しています。

J. Visual Computer 98 IEEE CG & A 1999

メッシュのフィルタリング

音楽データや画像データを処理するのにフィルタリングという手法が使われます。ローパスフィルターやバンドパスフィルターの名前を聞いたことがあるかと思います。同じような概念を3次元のメッシュに対して適用することができます。この時信号値は、頂点の座標値となります。問題は、音楽データや画像は規則正しく並んでいますが、右図のような三角形メッシュでは頂点は規則正しい配列にはなっていないということです。

ノイズを消去するようなスムージングフィルターが代表的ですが、その他にも右図の下のように特徴を強調するような処理も行えます。

フィーチャードラッギング

ウィンドウシステムのインタフェースで、最も直感的な操作は、ドラッギングであろう。本研究では、形状モデルの、部分形状(フィーチャーという)をドラッギングによって、その3次元的な位置を変更させることを実現した。デザイナーは、変更したい部分をセレクトし、マウスによってドラッギングすることによって形状修正を行うことができる。

Pacific Graphics '98 J. Visual Computer

メッシュフュージョン

ある物体の形状の一部つ別の形状に埋め込むための操作です。左の図では、鷲の頭の部分をヘリコプターのモデルに埋め込んで、ワシコプターをデザインしてみました。意匠設計でも、あるデザインの一部を取り込むことはよく行われますが、この研究は、そのような機能を実現するものです。手法としては、モーフィングという方法をベースとしています。

Graphics Interface 99

細分割曲面フィッティング

測定データから生成された大規模な詳細メッシュに対して、それを近似する細分割曲面を生成したものです。右図の左のような詳細メッシュを簡略化処理によって面数を減らし中央のようなメッシュを生成します。これを細分割曲面の初期制御メッシュを近似するものとして、細分割曲面がメッシュを近似するように調整してゆきます。細部の特徴を保存しつつ曲面化することとができます。

Pacific Graphics '99

細分割曲面の合成

複数の細分割曲面を集合演算のように合成するものです。右の例はちょっとふざけていますが、各部分部分をあらわす細分割曲面をつなぎ合わせて全体の形を作ることができます。また、つなぎ目が滑らかになるようにつなぎ目にフィレットも生成します。

フィーチャーに基づく細分割曲面生成

詳細な形状をモデリングすることは、ノウハウと手数のかかるプロセスです。この研究は、ラフな多面体で概形だけを入力し、それに対して、丸めとか、溝というような指定を行うことによって、詳細な形状を生成しようとするものです。詳細な形状は、サブディビジョンという方法を用いています。色々なサブディビジョンがあるのですが、ここでは我々の開発した方法を用いています。

JSPE paper 96 JSPE paper 99

3D Sketch

CADが発達しても、デザイナーにとってアイデアを展開するのに重要なメディアはスケッチです。このシステムはスケッチから3次元モデルを生成します。単一のスケッチから3次元を作ることは原理的に不可能ですが、いくつかの仮定を与えることによって実現しています。3次元化することによって、複数の方向からデザインを検討・発展させることができます。また簡易モデラとしても利用できます。

Elastick (Elastic Stick)

画像情報を用いた3次元インタフェースの一つです。ここでは、プラスチックの棒を用いて、3次元空間曲線を入力しています。棒に貼り付けたマーカーの画像から2次元曲線を推定し、さらに、それを射影としてもつような3次元曲線のうち男性エネルギーが最小のものをSnakesという方法で計算します。これによって、単一画像から3次元曲線を推定することができます。

展開図による紙工作

三角形メッシュのデータを実体にするために、その展開図を作成する研究です。三角形メッシュ上で、隣り合う三角形面同士を結んでできるグラフを面グラフと言いますが、展開図生成は、その面グラフのすべてのノード(三角形面に対応)を一回だけ通り、かつループしないようなグラフ(全域木)に対応します。ただし、展開図となるためには、展開したときに重なっては行けないので、すべての全域木が展開図となる訳ではありません。ここでは、作り易さも考慮して、展開図を求める方法を提案しています。

IPSJ Graphics & CAD SIG report development example (1/2)

PDAによるモデルビューワー

携帯端末の進歩・普及には目を見張るものがあります。最近では携帯電話でポリゴンモデルが見られるようになりました。ここでは、解像度低いPDA端末で、面数の大きなメッシュを表示する問題を考え、サーバー・クライアント型のシステムと、表示を手書き風に行うNPR(Non-Photo Realistic Rendering)によって行うシステムを試作しました。

インタラクティブ機構シミュレータ

空間で、剛体がお互いに接触したり、ぶつかったりしながら運動する様子をシミュレーションするものです。基本はニュートン力学で、一見簡単そうに見えますが、実は、物体が接触したときの内力(抗力と摩擦力)を求めるという問題を抱えています。従来の機構解析法では、リンク機構などのように接触関係が一定の場合には拘束条件式を立てることによって、また、接触関係が変わるときには、その部分に接触を妨げる向きに働くバネをいれることによって、この計算を回避していましたが、それらでは、自由にぶつかり合う剛体の運動を計算することはできません。ここでは、 Baraffという人の開発した手法をベースに研究を行っています。

なお、Windowsで動く2次元のプログラムを PDS として公開しています。

インタラクティブ剛体運動シミュレータ

上と同じ問題ですが、こちらはMirtichという人の開発した撃力ベース手法という方法をベースに研究しています。撃力ベース手法は、物体間の干渉をすべて衝突によって扱おうとする面白い方法です。例えば、床面の上に物体が静止しているよう場合でも、物体と床面が小さな衝突(マイクロコリジョン)を繰り返していると考えます。このような大胆な仮定を置いていますが、実はその計算結果は、普通の接触条件で解いたものとぴったりと一致します。とても不思議ですね。

なお、Windowsで動くpVRMLという3次元のプログラムを PDS として公開しています。

剛体運動アニメーション

剛体運動シミュレータによってアニメーションを作成してみました。運動シミュレーションを用いると大変リアルな動きが得られます。これにレイトレーシングなどのレンダリングを行うとアニメーションが生成できます。

多面体間の最短距離の高速計算

以上のようなシミュレーションを行うには、物体間の干渉や最短距離を高速に計算する必要があります。様々なアルゴリズムが提案されていますが、ここでは物体の周りに格子空間を用意して最近接面情報を表す方法を用いました。しかし、残念ながら世界最速とはなれませんでした。

(Last Updated on 8-Dec-2008)