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最近、産業用X線CTの普及が加速しています。図1は最先端の産業用X線CTによって撮影したV6エンジンのシリンダヘッドのCT画像です。
このような部品は、ダイキャスト法という鋳造法によって作られるために内部に小さい空洞(巣)が発生してしまいます。これを非破壊検査するためにX線CTは利用されてきました。
しかし最近は、人が画像を見て検査をするという目的よりも、X線CTで取られた画像から、設計や製造の様々な問題解決に応用することに期待が高まっています。
本研究では、最先端のX線CT装置で撮像されたボリューム画像を用いて、それを設計支援に利用するための画像処理技術、モデリング技術について研究を行います。例えば図2は、X線CTの画像から、そのdistance fieldというものを計算したものです。これによって、製品の肉厚のようなものを評価することが出来ますし、さらには、図3のように部品の中央を構成する面(中立面)を計算するなど様々な特徴解析が可能になります。
なお、CT画像は、3次元画像ですので、好きな方向から眺めて、このように立体的に表示をすることができます。これをvolume renderingといいます。
本研究の究極の目的としては、自動車や家電品などをそのままスキャンして、その全体のCADモデルを完全自動生成する「丸ごとスキャンシステム」を目指しています。そのためには様々な課題を解決する必要があります。例えば複数の材質から構成されている部品の材質を分離する問題、またケーブルなどの線と薄板部分そしてソリッドな塊部分をセグメント分離する問題、さらにはそれらからCADモデルを生成する問題です。また一般に工業製品のボリューム画像は大規模化するので、そのための並列計算やout of core処理も必須となります。
このプロジェクトは、前述のように様々な課題が存在し、一部は研究室で研究を進めている部分もあります(もちろん、解決されている訳ではありません)ので、まずは3次元グラフィックスやボリュームモデリングに関して基礎的な勉強を進めつつ、課題の全体に対して理解を行います。そして、それらの課題の中から興味が沸いたものについて、その解決策の考案と計算機実験を行います。また、研究の遂行の過程で、基本的なコンピュータグラフィックや離散幾何学の知識とC++プログラミングスキルが身に付きます。なお、このプロジェクトは大竹研究室と連携して行います。
プロジェクト ・卒論開催場所:駒場第2キャンパス 先端研4号館3階303号室 マップ
プロジェクト ・卒論計画:
4〜5月:CGプログラミングの基礎の学習
6〜7月:先行研究調査およびプロトタイプによる検証.初期プレゼンテーション。
9月〜12月:アルゴリズムの開発・実験および評価.中間プレゼンテーション。
1月〜2月:実データによる実験.論文執筆.最終プレゼンテーション。
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